2016年1月11日月曜日

64羽:かんばんは!

何度も行き交ったダンナの実家との往復。
見慣れた道路。
曇天の中、Uターンドライブは続く。


「これは無理だよねぇ。」
「終わりしか存在しない集落もあるんもんなんだな。」

口々にダンナと煽る。


色褪せ、錆付き、誰も見はしないだろう。
しかし、斬新な言葉が、見慣れた風景の中で異物である事を恍惚と浮かび上がせる。


「ここは挨拶道路です。
「みんな明るく!」
「今日はさようなら。」
「を実行しましょう。」

挨拶を促進させる看板だ。

「今日という1日の始まりが、終わりに変わる。」
「いや、終わりしか来ない毎日。」
「おはよう、こんにちは、ありがとうは何処に行った。」
散々ツッコミ倒す二人。

挨拶のほぼほぼを捨て去り究極の挨拶だけを繰り返す。
超一方通行だけの挨拶標識が小学校の側面に頓挫していた。

走りながら目視で確認できたのは3つ。
全て同じ標語。
多分、まだまだ点在していそうだ。

ってか、此処ら辺の住民はこの異常な看板に気付かないのか。
景色に溶け込みすぎて見えていないのか。
それとも、あの世の、あの世の人の為の看板。


車のスピードを上げそそくさと退散する。

「さようなら」。
見なかった事にする。

2 件のコメント:

  1. コテツマニア2016年1月12日 15:56

    コンニチハ。
    コテツマニアです。

    おそらく「今日は(こんにちは)!」「さようなら」かと思われます。

    まぁ普通に読むと「今日はさようなら」(きょうはさようなら)ですけどね。

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  2. コテツマニアさん、今日は!
    ですか〜。
    漢字の読めない自分には、悪意すら覚える標語ですよ。

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